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2006年6月30日 (金)

「OVERCOMING」&「マイヨ・ジョーヌへの挑戦」

Pict0003s6 ツール・ド・フランスを舞台にした話題の映画「OVERCOMING」「マイヨ・ジョーヌへの挑戦」。今日、この2本を観てきた。

 まず「OVERCOMING」は、2004年のツールを戦うチームCSCに密着したドキュメンタリー。ツールのプロローグ(個人TT)の映像にのっけから鳥肌が立ってしまった。今まで見たこともない映像。その迫力、臨場感。これはすごい、と思った。映画はリース監督を軸に、この年チームに加入しエースとして走ることになったバッソや、アシストのサストレの姿を中心に追っている。2004年のツールで繰り広げられた山岳でのバッソとアームストロングの対決の裏に、こんなドラマがあったとは。もう一度、あの戦いを観てみたくなった。

 続いて「マイヨ・ジョーヌへの挑戦」。こちらは2003年のツールが舞台。チーム・テレコムのツァベルへのインタビューを中心に構成されたドキュメンタリー。「OVERCOMING」を観た後だといまいち迫力に欠けるのだが、こちらもすごい。スプリントで勝つことができないツァベルだが、ペタッキ等、若手が育ってきてることをベテランの眼差しで落ち着いて語る。彼は今年、ペタッキと同じチームに所属したことを思うと感慨深い。
 落車し、傷を負う選手の姿が痛々しい。アームストロングの落車、個人TTでのウルリッヒの落車。さまざまなアクシデント、困難が待ち構えているツール。創成期のツールの映像を交えながら、その過酷なレースを紹介していく。また、会場の設営をするスタッフ、構える姿が滑稽なカメラマン達、観客が飛び出さないよう注意する警察官ほか、ツールを支えるいろいろな人々の姿も。牧歌的な雰囲気の中、ツールを楽しんでいるフランスの人たちの姿(おじいちゃんやおばあちゃんも)がすごくいい。うらやましいな。

 2作品とも、華やかなレースの裏側にある、普段は我々が絶対に目にすることのないものを見せてくれた。こんなにも苦しいレースを、なぜ彼らは走るのか。観ている僕らは家でビールでも飲みながら気楽でいるというのに!なんたるギャップだろう。そんなことを考えさせられてしまった。同時に、ツールとはなんてすばらしいんだろう、と。
 そんなツール・ド・フランスが今年も始まる。それもいよいよ明日からだ。選手は僕らが決して計り知ることのできない想いを抱きながら3週間の過酷なレースを走る。それを想像しながら観る今年のツールは、僕にとってまた違ったものになりそうだ。


 なお、この2作品の上映は渋谷のUPLINKで行われている。チケット売り場で自転車グッズを見せると割引になるよ。僕はフライトデッキ(サイクルコンピュータ)を見せました。

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