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2006年11月 9日 (木)

本当に豊かな暮らしとは…

 NHK「その時歴史が動いた」今回の“その時”は、柳田国男の「遠野物語」出版。放送を観ていて、本当の豊かな暮らしについて考えてしまった。
 宮崎県椎葉村で今も行われている焼き畑やしし狩り(いのしし狩り)、これには感銘を受けた。焼き畑は山の斜面を焼いて、その灰を肥料にしながら作物を作る。蕎麦や粟など毎年違う作物を作り、その場所で4年農作をしたら手を入れるのをやめてその土地を山に返す。そうすることによって、決して農作業に適しているとはいえない土地でも長い年月にわたって人々は暮らしてきた。またしし狩りは、狩りをする場所を限定し、それ以外の場所では決して狩りをしないのだという。そして、余分にいのししを狩ることもしない。
 日本人が連綿と受け継いできた生活の知恵。民話や伝承とともに。
 柳田国男はその存在を近代化の進む明治の世に紹介すべく、「遠野物語」を出版した。

 今や生活はどんどん便利になり、誰もが簡単に、何でも手に入れることができ、何でも口にすることができるようになった。それに伴って、失われてしまったものも非常に多い。例えば、その土地その土地に受け継がれてきた暮らし方。ゲストの立松和平さんが言った、今ではどこへ行っても同じ景色だ、っていう言葉が僕には重く響いた。
 日本は豊かになったってよく言うけど、そうだろうかって思う。便利になったし、飢えに苦しむこともないのは確かだが、それが本当の豊かさなのだろうか。僕は度々、昔の方が豊かだったのではと思ったりする。豊かさの探求といったら大袈裟だが、それが最近の僕の密かなテーマである。
「遠野物語」は今また、読まれるべき時なのかもしれない。

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コメント

文中の椎葉村は少し前放送の『銭形金太郎』で放映していました。
民宿「焼畑」経営のビンボーさんで、焼畑農業を実際に行い後世に受け継いでいるそうです。
焼畑の研究をされている学者や教授、学生が主たるお客さん。
そのビンボーさんが監修した焼畑に関する書物も多数出版されて、
サポーターにしっかり商売してました。
一度は行ってみたい。女将さんが生きてるうちに。。

投稿: びわ | 2006年11月 9日 (木) 07:40

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