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2006年11月13日 (月)

スイスの峠(7)アルブラ峠

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自転車で越えるスイスの峠 (7)アルブラ峠
Albulapass : 2315m

 
 
Pass7albula
 
 
9月24日(日) はれ
ティーフェンカステル~ラ・プント
Tiefencastel - La Punt

 いよいよ旅後半のハイライト、カテゴリー超級のアルブラ峠に挑む。日本を発つ前に、今年のツール・ド・スイス第6ステージのTV中継を2度見てコースの予習はしてきた。実際はどんな登りなんだろうか。解説の市川雅敏さんをして、スイスで一番好きな峠と言わしめるアルブラ峠だ。市川さんの話によれば、頂上にはお土産屋さんがあって、自転車のフレームに付けるバッジを売ってるらしい。どんな物なんだろう。絶対手に入れるぞ。そう、そのために僕はアルブラに来ることにしたのだから。

 宿泊地のディセンティスから氷河急行沿いの道路を緩やかに下って、イランツに到着。ここから山岳の走行を避けるために電車に乗る。途中の駅で一度乗り換え、ティーフェンカステルで下車する。

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ティーフェンカステルに到着。

駅前で軽い昼食を取る。
出発準備中、スイス人サイクリストに話し掛けられる。「どこから来た?どこへ行く?今日が初日か?」などの質問に片言の英語で答える。そして「Good luck,bye!」に「Good-bye!」と答えて別れた。

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ティーフェンカステルの街外れ。ユリアパスとの分岐のロータリーが見えてきた。

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これがそのロータリー。そういえばこの真ん中にあるオブジェ、テレビで見たような気がする。

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こっちの道を行くとユリア峠を通ってサンモリッツへ。

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僕はアルブラ峠を目指す。さあ、いよいよアルブラへの道に入るぞ。

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序盤はのどかな田舎の平坦な道を走る。

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氷河急行の踏み切り。ここもテレビで見たような気がする。

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四つの言語で「オープン」と書いてある。よし、あとは自分の脚を信じて登るだけだ。

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ぷふっ、なんだこれ!ツールで見かけるような干草のオブジェ(?)。楽しい。

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フィリズールの村が見えてきた。

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本格的な登りはまだ先だろうと思っていたら、いつの間にかその峠道に入っていた。道は右のV字になっている所へと続いている。

ところで市川さんが言っていた、峠のスタート地点はどこだったんだろうか。市川さんの話だと、登り口付近にある集落にタイムカードみたいなのをガチャンとやる機械を置いてあるところがあって、峠を上りきったところでまたガチャンとやると、登りにかかった時間が記録されて、インターネット上でランキングを見ることができるそうである。

実は帰国してからもう一度第6ステージの中継を見たのだが、そのスタート地点というのは先ほどのフィリズールの集落の中にあるようだった。スイスに行く前にもっとちゃんと記憶しておくべきだった。

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ゲロルシュタイナーのジャージでキメたサイクリスト達に抜かれる。もしや本物のゲロルシュタイナーの選手?なんて思ってしまうのも、ここがヨーロッパだから。

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ダンガイゼッペキ。テレビ中継の中で、安いタイヤを使ってる奴の後ろについては下りたくはない、なぜなら自分の前でそいつが転んで自分が巻き添えをくって谷底に落ちたくないからだ、っていう話が出たあの絶壁ポイントである。確かに、落っこちたら確実に命はない。

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上から谷底を覗くとこんなである。でもテレビで見た印象と少し違う。小ぢんまりしてるというか。テレビではヘリコプターからの映像だったからな。とはいえ、確かに絶壁。少し離れたところで子供や大人が石を拾ってきて落として遊んでた。オイオイ…。落とされた石は砕けながらスローモーションのように長い時間をかけて谷底まで落ちていった。やっぱりすごい落差なのだ。

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このコンクリートガードを越えてしまったら、命の保障は一切できない。左に写っているのが自転車のハンドルだから、じゅうぶんな高さはあるのだが。

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ベルギュンの村に入る。ここも名前が二つあるようだ。Bergunがドイツ語で、Bravuognというのがロマンシュ語なのだろうか。(ロマンシュ語はスイス第4の言語。使っているのは全人口の1%にも満たないという。アルブラ峠のあるこの辺りはロマンシュ語圏である。)

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ベルギュンの村の中。ここの湧き水をボトルに入れる。補給できてよかったぁ。なくなりかけてたから。スイスでは、だいたいどこへ行ってもこのような水が湧いていて助かる。旅の間だいぶ飲んだが、別段お腹に異常はなかった。

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ベルギュンの街並み。今まで通ってきた所とはまた少し違うけど、ここもまたいい雰囲気。

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おおっと、石畳の登りです。

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ベルギュンを出て、また峠道を登る。なんだろう、貯水池かな?すごくきれい。

日差しは強く、登っていると暑い。走りながらボトルの水を頭からかける。

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道端で一休み。市川さんベストの峠って言ってたけど、今の僕には他と変わらずただツライ(笑)。
道路の一段上に見えているのは氷河急行の線路。

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ここでまた休憩。写真だけだと休憩しかしてないみたいだな。左の写真、見えているトンネルは氷河急行のもの。その線路は右の写真の場所に来て今度は道路の上を渡る。

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この休憩ポイントではこの四角い所から水がボコボコボコボコ大量に湧いてた。

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手を入れてみた。冷たーい。

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再び走り出して、今度はテレビ中継で見た鉄道橋が見えてきた。

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すごいなあ。中世を思わせる石垣。自転車を道端に置いて、しばし撮影。

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峠の方から自転車ツーリストが下りてきた。お互い、頭をコクンッとやって挨拶。

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やっとこの峠の良さがわかってきた。道の雰囲気も市川さんの言うとおりあまり広くなく、田舎っぽくていい。
道路に沿うように氷河急行の線路。そしてその先の橋の上を通るのもまた、氷河急行。一体どうなってるのだ?かなり複雑な登り方をしてるらしい。

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今度は走りながら撮影!

それにしても長い登りだ。連日のツーリングでさすがに疲労は溜まっている。頭も少し痛い。

この峠道、クルマとバイクはそれなりに走っている。急ぐ人は隣のユリア峠を行くって市川さんは言ってたけど、今日は日曜日。レジャーで峠に登りに来てる人達が結構いるようだ。

クルマの後部座席に乗った子供たちが追い抜きざまに僕に向かって「Up!Up!Up!Up!」って声をかけてくれた。突然の応援団の登場にちょっとびっくり。手を振りながら「Oh! Thank you!」って答えた。うれしかった。一人で走ってると気が滅入ることもあるから。元気が出た。

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標高1,500mを超えて、景色が開けてきた。

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峠はまだか。あと500、300…ポラールの高度計を見ながらペダルを回す。苦しい。峠ではお土産が待っている。がんばろう。

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荒涼としてきた。
ダンシングしてみる。でもすぐに疲れる。脚には疲労が蓄積している。脚の筋肉がゴムのようになるっていうのはこんな感じのことか?
ところで、お土産売ってなかったらどうしよう。

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やばい、今日は日曜日。スーパーやお店は閉まってたけど、まさか峠のお土産屋さんまで?もし閉まってたらヘコム。そんなことを考えながら気を紛らす。
最後の一がんばり。まだ使っていない筋肉を使うように試みながらペダリング。でもすぐ終わってしまう。

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見えた!あれが峠の頂上、お土産屋さんに違いない!
着いたらまずはお土産の確認だ。写真は後だ。

最後の力を振り絞り、よろよろと遂に到着!
よかった、お店やってるみたい。
自転車を置いて、なにはともあれまずはお店に。

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あったー!ほんとにあったよー!しかもこんなにいっぱい。

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んで、これがその、市川さんが言ってた自転車に付けるバッジ。奥にはワッペンもある。

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えーとえーと、ど、どれにしよう。興奮ぎみ。そしてしばし悩む。んー、よしッこれとこれにしよう。

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うわっ、ペナントが売ってるよ!「売ってたら買ってきます」なんて旅行前に冗談で言ってたから、これ見たときは笑いそうになってしまった。で、買いたかったんだけど、ちょっと高かったので買いませんでした。ゴメンナサイ。

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さ、目的を達したところでホッと一息。外の様子でも写真に撮りましょう。KIOSKと書いてあるのがお土産屋さん。

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登ってきた方向から。来ちゃったよ、本当にアルブラ峠に。

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寒くなってきたので、レストランに入ってみることに。暖かいものが飲みたくなった。

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わかるのは「Zuppa」がイタリア語でスープのことだということ。「Zuppa di gulasch」というのを頼んでみた。

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出てきたのはこんなスープ。パンが付いてきた。

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中に牛肉とポテトが入っていた。あったかくっておいし~。アルブラ峠サイコー。

お腹も気分も満たされたところで、名残惜しいけれども下山することに。

アルブラの下り始めはほぼまっすぐな道。ただし勾配が緩いので、スピードは思ったほど出ない。漕ぐ力が残ってなかったので、40km/h位しか出なかった。しかし下るにつれてだんだん勾配がついてくる。60km/hを超えるスピードが出る。危うくコーナーで曲がりきれずに斜面へと落ちそうになった。この時ばかりは肝が冷えた。どうも疲れで判断力が鈍っているらしい。こんな旅先で大怪我をしたらたいへんなので、安全運転へと心を切り替える。

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麓の街、ラ・プントが見えてきた。第6ステージのゴールとなった街だ。ここから街まではつづら折りが少しある。

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下りきってラ・プントに到着。街のはずれを流れる緑白色のイン川。

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僕が下ってきた道。正面に見えるホテルに泊まることにした。少し値段が高かったのだけれど、他に安い所が見つからなかったし、となりの街まで移動する体力も気力もなかった。

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ホテル・アルブラ。悪くない名前だ。ツール・ド・スイスのゴールが設定された街に泊まるというのも悪くはない。

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さてさて、これが今日の戦利品である。コレニテ今旅ノ目的ハ達セラレタリ。このバッジ、どこに付けよっかな。
 
 
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コメント

ふおおおお。
これがあのアルブラ峠。。。
お土産屋さんのところ、
読みながらドキドキしましたよ〜。
ホントやってて良かったですねぇ!!

自分の脚で宝を手に入れた訳ですね。
素敵だなあ。

投稿: ichico | 2006年11月15日 (水) 18:39

アルブラは3UPジャージ着て登りましたヨ!
登りきったときは感慨もひとしおでした。
でもお土産屋さん閉まってたらそうとう凹んだと思います。
ほんと、開いててよかったです。

買ってきたバッジはアンカーのシートチューブに付けました。
スイスの峠を走った思い出とともに、宝物です。

投稿: Mさる | 2006年11月16日 (木) 11:39

はじめまして。
Mさるさんはチアノーゼの方ですね。
私はさわだんな、その嫁、福岡のA木の友人で、加藤といいます。

今日アルブラ峠について調べていたら、このwebに辿り着きました。
で、ちと興奮してしまったので、書き込みさせていただきます。

市川さんのおっしゃってたアルブラ峠のバッジは実は私が2002年に行ったときに購入し、2003年にmasama号を作った際にヘッドマークとしてつけてもらいました。Jスカイで話されていたのはそのことで、あれは自転車用のバッジではなく、登山者のストックにつけるバッジなのです。私もMサルさんの買ったものと同じものを全部買いました。そのうちの赤いバッジを今もヘッドマークとして着けています。両側に小さな穴があるでしょう。
あそこに針金を通してストックに着けるのだとアルブラ峠の店のおばちゃんは言っていました。

それからアルブラカップのスタート地点はフィリズールの駅の裏にある「ホテルフィリズール」で、ここで用紙をもらって自己申告でタイムを書いて、ホテルのフロントにあるポストに入れるということでした。私はここに何泊かしたのですが、スイスのプロチームも合宿をしに来たりするホテルで、ここのイタリアンはすごくおいしいです。このホテルは市川さんの紹介で行ったのですが、とてもこじんまりとしたいいホテルでした。(ホテルというよりロッジという感じですが)

Mさるさんがスイスへ行ったというのは、あんざるさんたちといっしょだったんですね。いいなあ。。私ももう一度スイス走りに行きたいな。
スイスにはMTBで走っても良さそうな道が沢山ありましたよー。
いつかごいっしょしたいですね。

ではでは。(長文失礼しました)

投稿: veve | 2007年2月 4日 (日) 02:03

はじめまして。
たぶんお会いしたことのある方ですよね。

そうでしたか、あのバッジは自転車に付けるためのものではなかったんですね。
たしかにバッジには小さい穴が開いています。
僕はこの穴を通して自転車のフレームに釘で打ち付けるのかと思ってました。
市川さんが自転車に付けるものだと言っていたからそうだと思っていたんですが、店のおばちゃんがそう言うのならスキーのストック用なんでしょうね。

アルブラカップについての情報もなんと素晴らしい!
市川さんが言っていたのとはちょっと違う点がありますが、とにかく場所は「ホテルフィリズール」なんですね。

いやー、またアルブラ峠行きたくなってきました。
それじゃ今度の週末に。…なんて感じで気軽に行ければいいんですけどねえ。

新(真)事実ありがとうございました!

投稿: Mさる | 2007年2月 5日 (月) 23:20

ども、多分、お会いしたことは、、多分ないっす。
Mさるさんが会ったことがあるというのは多分私の夫の方だと思います。
(お会いしたことがあるとしたらK藤さんのお通夜かも)

私はvitesseの隠れクラブ員でもあるので、あのホテルやアルブラ峠がいい峠だというのは市川さんから教えてもらって、女3人(ねこばば友達と)で行って来ました。アルブラ峠のレストランでお茶していたら、反対側からイタリア人のサイクリングクラブのおっちゃんたちが登って来て、大盛り上がりとなり、そのままサンモリッツまでいっしょに走って行ったことが懐かしいです。

このブログもまだ全部読ませて頂いてないのですが、ゴッタルドも行ったのでしょうか? あそこも素晴らしい峠ですよね。
それからスイスのローザンヌ近くのorbeという町では毎年Wysam333という333kmを走るレース(というかファストランサイクリング)があり、これも市川さんから教えてもらって走ってきたのですが、またスイスへ行かれることがあったら是非走ってみてください。大勢のサイクリストと交流できて、とても楽しかったですよー。

アルブラ峠、、、はなかなか簡単にごいっしょできませんが、どこかでスイスの地図でも見ながらお話したいものですね〜^^

投稿: veve | 2007年2月 6日 (火) 00:29

ねこばば関係の方でしたか。
3人でアルブラ行ってきましたっていうのは、すごいですね。
さすがです。

veveさんたちもアルブラのレストランでお茶しましたか。
サイクリスト同士が盛り上がってる場面が目に浮かびます。

ゴッタルドも行きましたよ。
素晴らしい峠でした。たいへんな道のりではありましたが。

このブログをまだ全部は読んでいただいてないとのことですね。
スイス・イタリアツーリングの話はこの辺↓から始まってますのでリンクしておきますね。

自転車で越えるスイスの峠~プロローグ~
http://m-saru.way-nifty.com/blog/2006/10/post_9fdb.html

お暇なときにでもごらんになってください。

投稿: Mさる | 2007年2月 6日 (火) 11:07

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