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2007年11月26日 (月)

自動車技術のトレンド [エンジン編2]

■エンジンのトレンド2:連続可変型バルブタイミングリフト機構
~バルブトロニックに追従する技術~

 ガソリンエンジンからスロットルバルブをなくせば、ポンピングロスが減らせる。その夢とも言える技術を実現したのが、BMWの「バルブトロニック」だ。これにより吸気バルブの開角(バルブタイミング)とリフト量を連続的に変化させることに成功。出力や燃費など、エンジン性能が大きく向上したのである。
 その後、同様の機構をもったエンジンを作れるメーカーは出てこなかった。しかしBMWが市販型バルブトロニックを出してから6年後の今年、ようやくバルブトロニックに追従するエンジン技術が登場してきた。東京モーターショーで見つけたそれらの展示物を紹介する。

Img_08512s6_2 まずはトヨタの「バルブマチック」。今年の6月に発売になった、ノアとヴォクシーのエンジンに搭載されている。
 部品メーカーのオティックスのブースでその機構部品を見つけた。写真上がロッカーアームの全体で、下がその機構を説明する展示物。下の写真で左側にあるのがロッカーアームで、右側がカムシャフト。バルブはロッカーアームの下にある。赤い矢印で示した部品(ロッカーアームの一部)が回転することでカムとの相対的な位置が変化し、それによってバルブの開閉タイミングとリフト量が変化する。
 言葉で説明するのは難しい。展示物は実際に動いていたのでよくわかったけど。

Img_0432s6 こちらは日産のブースにあった新型のVQエンジン。バルブ作動角・リフト量連続可変システム「VVEL」(Variable Valve Event and Lift)を搭載。VVELは「ブイベル」と読む。今年の秋からスカイラインクーペに搭載されている。
 展示では、スロットルバルブが必要なくなったことにより従来のエンジンと比較して吸気がスムーズになり、ポンピングロスが小さくなったことをアピールしていた。

Img_05952s6 そして、こんなものにもお目にかかれた。部品メーカーのValeoのブースにあったのは、電磁バルブ作動システムだ。従来のカムによる機械的なバルブ駆動を電磁石で行おうというもの。バルブの上にある四角い箱の中に、電磁石が上下に二つ入っている。こちらはまだ課題が多く、実用化には至っていない。

 いまのところ、BMWのバルブトロニックに追従して市販に漕ぎつけたのはトヨタと日産だけだ。それぞれ機構は違っており、特許を逃れるためにいろいろな工夫がされて今日の形に至ったと思う。他のメーカーもこれから同様の機構をもったエンジンを発表してくる可能性はある。(既にホンダが名乗りをあげている。)
 地味ではあるが、ガソリンエンジンの性能を向上するのにはとても有効な技術なので、今後の展開に注目したいところだ。
 
 
参考文献
モーターファン・イラストレーテッドVol.5 特集:エンジン 基礎知識と最新技術
モーターファン・イラストレーテッドVol.10 最新エンジン・トピックス

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