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2009年11月 8日 (日)

モーターショー09 report2:HV編

 東京モーターショー2009レポート第2回。各メーカーのハイブリッドカー(HV)を、主にメカ的な視点で比較してみよう。
 
 
トヨタ
Img_7544s6 ご存知、プリウス プラグイン ハイブリッド コンセプト。通常のプリウスとの外観上の違いは、左のフェンダーに充電プラグの差し込み口があることと、ボディカラーが専用の「ライトブルーマイカメタリック」であることくらい。エンジンとモーターは通常のプリウスと同じだが、バッテリーは通常のプリウスがNiHなのに対し、こちらはLiイオンである。てことは、お値段的に結構高くなるのではないだろうか。

Img_7539s6_2 プラグイン プリウスはトヨタの通信ナビシステム「G-BOOK」と連携して、クルマから離れた場所でも携帯電話で充電状況がわかる…らしい(あんまり詳しく見てこなかった)。
 蛇足ながら、展示に使われてるこのケイタイはiidaのG9だね。

Img_7564s6 プリウスのハイブリッドシステム。トヨタのハイブリッドシステムの要である動力分割機構は赤く塗られた部分である。遊星歯車がはっきりとわかる。この機構が発明されたことにより、プリウスはエンジンとモーターの動力を自在に混合してタイヤに駆動力として伝えることができる。しかもこの機構は無段変速機の役割も果たす。動作は多彩で難解だけど、構造はシンプル。機械にとってシンプルなことは重要なことだ。

 
 
ホンダ
Img_73212s6 インサイトのハイブリッドシステム。エンジンとモーター(兼発電機)が直結しているのがわかる。エンジンとモーターは常に一緒に回ることになるため、エンジン動力が必要ない場面であってもその回転を止めることはできない。その代わり、構造はハイブリッドシステムとしては最もシンプルなものになっている。また、モーターはプリウスのものに比べると小型。出力は小さく、アシスト的な働きに限定される。が、そのぶん軽量である。
 右側にあるのはトランスミッション。インサイトはご覧のとおりCVTだが、CR-Zは6MTまたはCVTが設定される。
 なお、ホンダは昨今流行のプラグインハイブリッドには否定的なメーカーだ。プラグインハイブリッドなんて中途半端、外部から充電するならEV(電気自動車)でいいよ、というスタンスをとっている。

 
 
日産
Img_7687s6 モデルチェンジしたフーガにはハイブリッドモデルも設定される。僕としてはフーガ自体にはほとんど興味はなく、車体の写真は撮ってこなかった。が、フーガに搭載されるハイブリッドシステムはちゃんと撮ってきたってわけ。
 オレンジ色のホース(電源ケーブル)が生えてる下の部分にモーターがある。そしてモーターの前後(写真でいうと左右)にクラッチがある。モーターの前(写真では左)にあるクラッチを切ったり繋いだりすることで、モーターのみもしくはエンジン+モーターという駆動方式を使い分けられる。

Img_7688s6_2 この方式はかつて販売されていたティーノ・ハイブリッドのシステムと基本的に同じだと思われる。ただしティーノはFF、フーガはFRである。そこで、ご覧のFR用トランスミッションと組み合わされる。この点が新しい。
 また、オレンジ色のホースが繋がった先にある箱は日産が開発したLiイオンバッテリーである。

 
 
スズキ
Img_7368s6 スイフト プラグイン・ハイブリッドを展示。搭載される660ccのエンジンは発電用であり、駆動はモーターのみで行う。つまりシリーズ式ハイブリッド。エンジンはバッテリー残量が少なくなったときだけ回る。プラグイン方式でもあり、これはほとんどEVと言った方がいいのかも。

 
 
マツダ
Img_7414s6 プレマシー ハイドロジェンRE ハイブリッドを展示。スイフト ハイブリッドと同様、エンジンは発電のみに使われるシリーズ式ハイブリッドだ。ただし、プラグイン方式は採用されていない。最大の特徴はなんといっても車名にあるように、水素を燃料とするロータリーエンジンを搭載している点。正確には水素だけでなく、ガソリンでも動くデュアルフューエルシステムになっている。
 マツダは1990年代初頭から水素ロータリーエンジン技術を発表し続けている。このプレマシー ハイドロジェンRE ハイブリッドは一歩進んで、今年3月から国内で既にリース販売を開始しているのだという。
 実は僕、このクルマが水素ロータリー搭載車であることには気付いていたが、HVであることに気付かずろくに見てこなかった。だって「HYBRID」っていう文字がちっちゃくて目に入らなかったんだもんっ。というわけで、今となってはちょっと後悔している。
 
 
スバル
Img_7439s6 スバル ハイブリッド ツアラー コンセプトというモデルを展示。こちらのコンセプトカーのシステムは前後2つのモーターをボクサーエンジンと組合わせたもの。通常はエンジンで駆動し、必要に応じてリア、次いでフロントのモーターが駆動力を発揮し4WDとなる。低速時であればモーターだけでの走行も可能とのこと。駆動系の実物の展示がなかったので、具体的な機構は不明。ほんとにこのクルマに搭載されてるのだろうか。

 
 
三菱
Img_77172s6 PX-MiEVというコンセプトカーを展示。ボディデザイン的には次期アウトランダーか?
 こちらは基本的にエンジンは発電用として働き、駆動はモーターのみで行うシリーズハイブリッドを採用している。が、モーターに加えて必要に応じエンジンも駆動をサポートするパラレルモードも備えるという。モーターは前後2つあり、これにより4WDとなる。三菱お得意の車両運動統合制御システム「S-AWC(スーパー・オールホイール・コントロール)」も搭載。また、プラグインハイブリッドでもあるという、てんこ盛り状態のクルマだ。

Img_77142s6_2 駆動系の模式図が展示されていたがスバル同様、実物が展示されてないので詳細は不明である。実用化は遠そうだ。

 
 
 今回の展示を見る限りでは、HVの現状は3つに分けられると思う。市販化までこぎつけ、熟成を進めているトヨタ(含レクサス)、ホンダ、日産。ひとまず形になり、実証実験段階にあるスズキとマツダ。まだまだ“絵に描いた餅”状態のスバルと三菱。
 ハイブリッドの方式としては各社さまざまだ。これから世の中にHVが普及していくと考えられる中で、どの方式が主流となっていくのだろうか。あるいは共存していくのだろうか。
 例えば10年後とかに今年のモーターショーを振り返ったとき、この混沌とした状況はHV黎明期を象徴するものとなっているのかもしれない。

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