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2010年2月10日 (水)

トヨタのリコール記者会見を読み解く

 昨日行われたトヨタによるプリウスのリコールに関する記者会見。その内容を読んでみた。

トヨタ、「プリウス」のリコールに関する記者会見 - Car Watch
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20100210_348129.html
 
 
 原因のところなど、ちょっとわかりにくいのでなるべく簡単にまとめてみることにした。上記リンク先の図も参照されたし。
 
 
●不具合の状況
豊田章男社長の言葉。「雪道などの非常に滑りやすい路面に、低速状態でさしかかりABSが作動する際に、大変表現をするのが難しいんですが、ほんの一瞬だけブレーキが抜けるという現象が発生いたします。」
 
 
●不具合の原因 ~新型プリウスのブレーキシステム~
・新型プリウスは回生ブレーキと油圧ブレーキを統合的に制御している。その関係で油圧ブレーキのシステムは2種類を使い分けている。

ペダルの踏力をセンシングし、電気式のポンプによって油圧を発生させ、ブレーキを作動・コントロールするもの

ペダルを踏むことで発生した油圧によってメカニカルにそのままブレーキを作動させるもの

・通常は①が作動するが、ABS作動時①→②へと切り替わる。

・ブレーキペダルの踏力が小さいとき(軽いブレーキのとき)には、①で発生する油圧が②で発生する油圧よりも少し大きくなるような設計がされている。(図を参照

ABSが作動すると①→②へと切り替わるので、踏力が一定であっても、発生する油圧は小さくなる=ブレーキが弱まる。これが「ブレーキが抜けたような感覚」の原因。
 
 
●対策の内容
ABS作動時も①→②へと切り替えることなく、①のままとなるような制御プログラムにする。(これは従来モデルと同じものになることを意味する。従来モデルではノイズや振動が発生するという不満が寄せられたという。)


●リコールに踏み切った理由
・発売中のプリウスが今後トヨタが想像する以上の(危険な)状況に遭遇するかも知れないため。

・保安基準には合致しているが、安全を保証するという用件を完全には満たしていないと判断したため。
 
 
●今回の不具合は事前にわからなかったのか?
・不具合が出るような条件での試験はやっていない。

・開発時に一番気にするのは最大減速度や、コントロール性能、それも高い速度でのコントロールである。

・低速、低減速度での注目をしっかりできなかった。
 
 
以上。
 
 
 う~ん、2種類の油圧ブレーキシステムにABSが関わって、複雑なことになってるのね。
 複雑にもかかわらず、プリウスがブレーキの油圧を電動ポンプで発生させるシステム(上記の①)を採用しているのは、回生ブレーキを最大限利用するためだ。平たく言えば、一般的なシステム(上記の②)だけでは、燃費が悪くなってしまう。だからそこは譲れないのである。
 しかし対策の内容について疑問は残る。①→②の切り替えをやめるのではなく、①の油圧の発生の仕方を②と同様にすればいいのにと思うのだ。そうすれば切り替えが違和感なくできると思うのだが。そう単純な話でもないのかな。

 それと、僕の中で誤解していたのは、不具合が事前にわかっていなかったという事実。わかっていながら世に出していたとすれば、ちょっと酷いなーとは思っていたけど、そうではないらしい。
 
 
 それにしてもこの問題、原因が複雑でクルマに疎い人には理解し難いだろうな。トヨタも説明に苦心したんではなかろうか。などと同情してみたりするのである。

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コメント

トヨタはプリウスの不具合について、甘く見て対応が遅れた。
技術のあるトヨタの体質でなければよいが。
トヨタのお客様相談室の回答は、誠実とは少し距離がある。
ダイハツのお客様相談室は、「仮定の質問にはお答えできません」という。
これでは、不誠実で無意味な言葉だけの鳩山由紀夫の空疎でごまかしの国会答弁と変わらない。

投稿: トヨタのリコール | 2010年2月10日 (水) 20:23

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