N-BOXという乗り物
先日、S660を一ヶ月点検に出した。メンテナンスが必要だったので代車を借りたら、N-BOXだった。それで、ショッピングモールの駐車場に行ったら、なんか低いクルマ(!)がいたので並べてとめてみたよ。
どちらも軽自動車なのだが、なんだこの差はw
この希少な低いクルマのことも気になるけど、今日はその話ではなく。N-BOXのことだ。
N-BOXに乗ったのは初めて。これ、S660とは全然別の乗り物だね。シートポジションや目に入る景色は、なんとなくトラックを運転しているみたい。だんだん、何かを配達しているような気分になったよ。そういうお仕事をしたことがあるわけじゃないんだけど。
さて、走りだが、これが全然曲がらないw ステアリングがダル。ダルすぎるくらいダルなのだ。なぜこんなセッティングかというと、この高い車高のせいだと思う。これだけステアリングがダルだと、やはり疑問に思うのは、ここまで車高が高い必要があるのかということだ。
そりゃ、必要な人もいるだろう。必要な場面はあるのだろう。しかし、僕が理解に苦しむのは、この乗り物が軽自動車で一番売れているということだ。そんなにこの高さを必要としている人が多いのか。
たしかに、乗降性は抜群にラクチンだ。だけど、天井はここまで高くなくてもいい。重心高や空気抵抗、重量など、走りのことを考えれば高すぎる車高はデメリットの方が大きい。
これを買う人はどう使ってるのだろうか。子供がいる家庭では便利なのか?
なんてことをツイッターでつぶやいたら、フォロワーさんが教えてくれた。「抱いた子供をチャイルドシートに座らせてシートベルトを締める場面では、後席前のスペースが広く、室内が高いメリットがある」と。なるほど、それは納得できる。
だからといって……と言いたくなってしまう僕なのだが、子育てをしたことがないのでもはやこれ以上はわからない。子育てって、たいへんなんですな。
ということで、ここからは的外れであるのを承知で言うのだが、運転の楽しさについては、N-BOXは全然楽しくない。運転というより、むしろ退屈な“作業”である。運転の楽しさというものをあえて徹底的に排除するよう設計されたのではないかとさえ思ってしまう。おそらく、N-BOXのユーザーは走りのことはもう本当に全然どうでもよくて、室内が広ければ広いほどいいという価値観なのだろう。
N-BOXをはじめとするスーパーハイトワゴンは、軽自動車規格という縛りがある中で、高さ方向に空間の広がりを求めて進化した先に生まれた乗り物だ。空間を確保する代わりに走りを犠牲にして。この進化はまるでゾウガメのようではないか。そう、あのガラパゴス諸島の。
N-BOXは日本で多くの人に受け入れらているのは事実だ。今まで気づかなかったが、意識してみると道路はN-BOXだらけだ。地域性はあるにせよ、うちの周りではプリウスやアクアよりも、フィットよりもN-BOXが多い。これはちょっとびっくりだ。
多くの人が支持するN-BOXなので、コーナリングが~とか、運転の楽しさが~とか言っても無意味なことは僕も理解しているつもり。が、これだけは言っておきたい。ブレーキフィーリングだけはよろしくなかった。ブレーキの踏み始めは効かなくて、あるところまで踏むとガクッと効く、いわゆるカックンブレーキなのだ。これでは、誰が乗っても運転しづらいと思う。もっとリニアな効きにはできないものなのか。難しいのかね。コストのかかることなのかね。
ということで、そろそろ結論といこう。
[結論] N-BOXは、乗るなら後席に限る。
いやあ、後席は広くて快適だねぇ。
最後に。
文中で、僕はN-BOXを“クルマ”ではなく“乗り物”と表現した。N-BOXは僕のイメージする“クルマ”とは違う、別の何かという感じだからだ。考えてみれば、N-BOXが登場した時のキャッチコピーは「New Next Nippon Norimono」であった。やはり“クルマ”ではない別の“乗り物”なのだと思う。
| 固定リンク
| コメント (3)
| トラックバック (0)
最近のコメント