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2018年12月

2018年12月31日 (月)

三車三様。アクア、ルーミー、ヴィッツに乗ってみた

 レンタカーまとめてインプレッション。今年乗ったのはアクアルーミーヴィッツトヨタ車3台だ。

●このクルマもか! まっすぐ走らない:アクア
Img_9873b2s6 まずはアクア。人気のコンパクトHVの実力やいかに。
 マイナーチェンジを経て、初期モデルからはライト類のデザインなどが変わっている。
 走りは、直進性の悪さが気になった。高速道路では、常にステアリングを微修正しないと安心して走れない。パッソのインプレッションでも使った言葉「まっすぐ走らないクルマ」をこのアクアにも感じる。そしてなんだかブヨブヨするステアリングフィールは気持ち悪い。パワーも足りない。高速道路合流時の加速がもたつく。運転の楽しさも特にない。
 ただ、ハイブリッドシステムのスムーズさはさすがだ。いつエンジンがかかったのかわからないし、全く気にならない。なお、燃費に関しては、レンタカーということもあって確かな値を計算できなかったため、ここでは言及しないこととする。
 2011年の暮れに発売されて以来、日本のベストセラーカーの一角を占めるアクア。しかし、その走りには正直なところ、いい印象は持てなかった。買う方も買う方だと思うが、売る方も売る方だと思う。こんなもんでいいやというトヨタの姿勢を垣間見た気がした。一方、オーナーはこんなもんでしょと満足しているのか、我慢して乗っているのか。僕にはわからない。

●背の高さが諸悪の根源:ルーミー
180907__1192s6_2 次はルーミー。同じくトヨタタンクダイハツトールスバルジャスティとは姉妹車であり、製造はダイハツが担う。カテゴリー的には、いま人気のトールワゴンだ。
 なんといっても室内が広い。乗り込むと、バンザイができそうなほど天井が高い。だが、走りは一言で表すと「鈍重」。走り出しは重く、コーナリングはもっさりしており、ブレーキング時は重いものをなんとか止めるような感覚がある。
 そして、アイドリングストップの扱いが難しい。以前、ダイハツタントムーヴで感じたストレスがこのルーミーにもある。停止する直前にブレーキペダルを戻すと、いったんストップしたエンジンが再びかかってしまうのだ。スムーズかつ、エンジンを再始動させずに停車するには、相当にデリケートなペダル操作が要求される。製造者であるダイハツは、ここを改善すべきなのではなかろうか。

180907__1202s6 ルーミーの諸悪の根源はこの背の高さだろう。頭上の無駄な空間を捨ててしまえば、かなり良くなるのではないかと思わずにいられない。果たしてここまでの高さは本当に必要なのだろうか。余計なことかもしれないが、ダイハツ トールのCMで普通の高さのクルマが上に伸びてトールになるシーンがあるが、僕はトールになる前の方が断然いいような気がしてならない。濱田岳も背が伸びた姿より今のままの方がいいと思うんだけどな。まあでも、この種のクルマが売れてるってことは、この高さを必要な人もいるのだろう。

●一番素直なコンパクトカー:ヴィッツ
181009__0622s6 最後はヴィッツ。2010年の末に発売された3代目がマイナーチェンジを重ねて今に至る。乗ったのは最新型で、1.0LガソリンエンジンのFというグレード。安全装備「Toyota Safety Sense」がついていた。
 8年間の熟成の効果なのか、なかなか好印象だった。ステアリングフィールは自然。脚はよく動き、乗り心地はソフト。かといって変にフニャフニャしたり、逆に突っ張ったりする感じもない。ガッチリとまではいかないものの、しっかりとしたボディの剛性感もある。エンジンの非力は否めないが、一般道を2名乗車で走るには必要にしてじゅうぶんだ。ATのセレクトレバーはフロアから生える昔ながらのもの。ゲート型ということもあって、シフトダウン・シフトアップがやりやすい。減速時や下り坂で積極的にエンジンブレーキを使いたい僕にとっては、小気味よさすら感じるとてもよいものだった。ちなみに、前出のルーミーの方は非常に操作しにくく、いわば月とスッポンである。

181009__1032s6 安全装備「Toyota Safety Sense」には、自動ブレーキの他に「レーンディパーチャーアラート」と呼ばれる車線逸脱警報装置も含まれる。ウィンカーを出さずに道路の白線やオレンジラインを跨ごうとすると、「ピーピーピーピー」と警告音が鳴る仕組み。高級車と違い、ハンドル操作などのアシスト機能はない。これがどの程度、安全運転に寄与するのかは少々疑問だが、ないよりはいいのかもしれない。なお、個人的には警告音がうるさいと感じることはなかった。また、塗装が剝げているようなラインは認識しないが、多少かすれている部分も含めてかなりいい精度で認識しているのがわかった。認識している時は、メーター内の液晶画面に左右個別に破線が表示される(写真は停車中なので、認識していない時のもの)。

181009__1022a6 今回の3台の中では、一番素直によくできたクルマだ。ヴィッツってこんなによかったっけ? と思ってしまった。これが長年の熟成の成果といったところか。(それにひきかえアクアは……。)
 ただ、デザインは好みが分かれそうだ。このゴキブリみたいな顔を、僕はどうにも好きになれない。

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2018年12月 8日 (土)

カー・オブ・ザ・イヤーはXC40

 今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーXC40となった。ボルボが2年連続の受賞。

第39回 2018–2019 日本カー・オブ・ザ・イヤー
http://www.jcoty.org/result/

 僕の予想では、今年も際立った一台というのはないから、去年と同様にコンスタントに票を獲得したクルマが1位をとるかもしれないと思っていた。ただ、僕はXC40を過小評価していて、だから、今回の受賞にはちょっとびっくりだったのだ。(とはいっても、僕はいずれのクルマも乗ったことがない。いろんな媒体から得られる評価の総合的な印象が、僕の中での評価となっているにすぎない。所詮、その程度であることをお断りしておく。)

 選考委員別の採点表とコメントを見てみよう。

第39回 2018–2019 日本カー・オブ・ザ・イヤー 選考委員別配点表
http://www.jcoty.org/result/points/

 XC40がこんなにみんなの評価を集めるとはね。デザインが秀逸なだけでなく、中身も相当いいんだな。
 次点となったカローラ スポーツは、僕はじゅうぶんに受賞もアリだと思っていた。実際、1位に選んだ選考委員も多かったが、惜しくも受賞を逃した。XC40の方が安定して点を稼いだという結果だ。
 クラウンもいい線いったが、まあ、こんなところだろう。
 しかしこうなると、カローラにカー・オブ・ザ・イヤーを取って欲しかった気もする。今後の日本車の実力を底上げする意味で、いま、このカローラを評価することは大きな意味があると思う。カローラの走りを多くの人に知ってほしい。いやその前に、オマエが乗れという話だけど。乗りたいです、ハイ。
 さて、改めてノミネート車を見てみると、ホンダは寂しいものだね。クラリティPHEVに票を入れた人なんてほとんどいない。今回、イノベーション部門賞は取ったけど、技術だけアピールしてもねえという感じ。クルマとして魅力的でなければ。今年のホンダでは、特筆すべきなのはN-VANくらいか。N-VANは商用車なのでここではノミネートされず、今回は特別賞を受賞した。軽自動車のNシリーズは絶好調だ。でも、その上のクラスがパッとしない。来年は魅力的なクルマ、出るんでしょうか。
 それから、今年はスズキがノミネートを辞退し、スバルもノミネート後に選考対象となるのを辞退した。どちらも製造過程(検査工程)での不正を理由にしたものらしいが、辞退するなよと言いたい。企業としての不正はけしからんので反省・改善すべきだが、クルマ(=製品)そのものの評価はまた別の話だろう。スズキジムニースバルフォレスターと、ともに高評価を得ていただけに、残念だ。

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